2023.7.17 磐梯山
全国1000m峰紀行(21)
磐梯山(1816.2m)、赤埴山(1430m)
メンバー
早田、片岡、北山(あすなろ)、多田(ロイヤル)
行程
猪苗代スキー場8:30s-標高1000m9:30-赤埴山10:55-櫛ヶ峰とのコル11:40-弘法清水小屋12:15-磐梯山山頂12:52a13:00s-磐梯リゾートスキー場15:20-猪苗代スキー場16:00a
2023年7月17日
元市労山の同世代メンバーK氏から声を掛けられ、おじさん4名の東北山ツアーに参加することになった。徳島から約1000kmを走り、磐梯山の麓猪苗代町に至り、そこの磐梯青少年交流の家を根城に山と酒を楽しむプランである。
7月16日夕方、宝塚から9時間をかけて磐梯青少年交流の家に到着。残念ながら磐梯山は雲に隠れているが、天気はそれほど悪くない。早速ビールを買いだし、夜に備える。
まず最初は磐梯山。翌17日幸い天気は晴れ。朝の始まりはラジオ体操。朝食を食べ、出発は8時前になる。標高700m弱の猪苗代スキー場まで車で行き、そこから歩き出す。登山者用に動いているリフトを横目に初日は自分の足で黙々と登っていく。標高900mまでは管理用の車道を登り、そこからはスキー場の縁のモノレールに沿って登る。標高1150mでリフトからの道と合流。眼下には、スキー場のゲレンデと猪苗代湖が広がる。
ようやく本格的な山道。少し登ると樹林帯になり、暑さも和らぐ。標高1250mには大岩があり、登ると、雲が切れ待望の磐梯山の山頂が望めた。さらに登ると赤埴山の分岐、少し遠回りになるが、ここは赤埴山山頂を通るルートを取る。赤埴山に来ると、残念ながら山頂は雲に隠れたがこれから登る沼の平がよく見える。コルで巻き道と合流し、なだらかな道を進む。両側には次々に美しい湖沼が現れ、木々の緑もさわやか。櫛ヶ峰とのコルへの登りもさほどきつくない。コルからは、今まで見えなかった檜原湖方面の展望が開ける。少し登ると黄金清水。さらにひと登りで弘法清水小屋。2軒の小屋は盛況で人があふれている。
弘法清水小屋からは道の趣が変わり、灌木のトンネルを行くようになる。傾斜も強まり、山体を巻き気味にジグザグに登っていく。時折展望が開け、湖沼をちりばめた裏磐梯高原の大パノラマが展開する。だんだん灌木の背が低くなり、展望が広がり始めると頂上。真正面に猪苗代湖の全容が広がり、遠くに見える山影は尾瀬周辺だろうか?
13:00猪苗代湖を眼下に下山を開始。頂上から下山口天鏡台までは標高差1000mを一気に下ることになる。ルートは標高1200mまで急な尾根を猪苗代湖を望みながらの下り、そこからは、猪苗代リゾートスキー場のゲレンデに沿って樹林の中を下る。標高800mで山腹を巻く舗装道路に出て、あとは4kmのロードで起点の猪苗代スキー場に戻る。
実は、磐梯山に登るのは2回目。1976年大学2年の飯豊朝日縦走の夏合宿の後、単独で登っている。つたない文だが、その時の記録があるので紹介したい。
1976年8月11日
郡山6:05s(磐越西線)猪苗代6:57a7:00s=五色沼入口7:25as-毘沙門沼7:35-瑠璃沼7:50-磐梯高原8:05-裏磐梯スキー場8:25a8:35s-銅沼8:55a9:00s-中ノ湯9:20-弘法清水10:00a10:10s-磐梯山10:25a10:40s-弘法清水10:55-櫛ヶ峰とのコル11:05-沼ノ平11:20-赤埴山11:25a11:30s-1合目11:45-猪苗代スキー場11:55-猪苗代駅12:55a13:30s-猪苗代湖14:00a15:00s-翁島15:35a15:44s(磐越西線)郡山16:52a
んよりとした雲の下、バスは五色沼に向けて走っている。好天を確信しながらも不安になる朝の空である。バスを降り、しっとりとした朝の空気の中、五色沼の自然歩道を黙々と歩く。天候とともに五色に色を変えるという沼々。どんよりとした厚い雲の下であったが美しかった。高原のゆるやかな起伏の中を真直に磐梯山に向かってまっすぐに走る道。その中に明治に起きた大惨事の爪痕は想像できない。裏磐梯スキー場で登山届けを提出し、山道に入る。スキー場の草のスロープを登りきるともう銅沼である。櫛ヶ峰を写すその姿は有名であるが、残念ながら今日の櫛ヶ峰はガスに隠れている。ここから急な登りが中ノ湯を経て弘法清水まで続く。ちょうど中学生の団体が登っており道はかなり混雑。道は火口壁のだいぶ下を巻きながら登っていく。弘法清水で大休止の後頂上アタック。ガスが去来する天気で展望も束の間である。道はかなり急で要所にはフィックスがある。頂上は岩屑に埋もれたイメージ。風がものすごく強く、急激に体温を奪っていく。
下りは猪苗代への正面登山道にルートを取る。櫛ヶ峰とのコルで川上への道と分かれ、沼ノ平をつっきて下る。下りはお手のもの。あっという間に赤埴山。ここまで来るとガスもなくなり、猪苗代湖が眼前に広がっている。湖に向かって吸いこまれるように下っていく。猪苗代スキー場からはひたすらのロード。猪苗代駅を経て湖岸まで一気に飛ばす。湖のそばの草原に寝転がる頃は天気もすっかり回復し、暖かい陽光が満ち足りた心を包んだ。磐梯山は今や陽光を全身に浴び、毅然として会津の空に君臨していた。登って良かった。つい微笑んでしまう。本当に素晴らしい山だと思った。