2025.11.2 小金沢山〜ハマイバ丸

山域
山梨県大月市 秀麗富嶽十二景
・小金沢山(2014m)
・牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1990m)
・白谷ノ丸(1920m)…秀麗富嶽十二景の選定外
・大蔵高丸(1781m)
・ハマイバ丸(1752m)

参加者:佐藤

天候:曇り時々晴れ

CT:

6:15 甲斐大和駅‐(タクシー利用\7,500也)6:50 小屋平バス停‐7:44石丸峠‐8:42小金沢山(2014m)‐9:21 牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1990m)‐10:38白谷ノ丸(1920m)‐11:10湯ノ沢峠‐11:48大蔵高丸(1781m)‐12:16ハマイバ丸(1752m)‐13:00米背負峠‐14:48やまと天目山温泉

概要

昨日に続き今回も秀麗富岳十二景に挑戦です。本日は4つの十二景を制覇するロングコースです。この縦走コースはバスも利用可能ですがCTが8時間程度あり、ちょっと自分の速度では帰りのバスに間に合うか不安があったため、小屋平まではタクシーを使うことにしました。

 6:12中央本線甲斐大和駅着。八王子始発の中央線内にかなりの割合を占めていた登山姿の人々も大月で大半が下りてしまい、甲斐大和で降りたのは自分ひとりでした。予約していたタクシーは1時間後に別の予約があるとのことで、山道をかなりの速度で飛ばします。運転手の方は話好きの気さくな人でした。

小屋平に着くとすでに何台か路駐の車があり、人の姿も見えます。そしてひっきりなしに上日川峠方面から駆け上ってくる半袖短パン姿の人たちも。聞けばこの日はトレランの大会があり、最も長いコースは午前3時にスタートして(!)、108㎞を走り抜ける(!!)のだとか。自分から見たらもはや人ではなく天狗の類ではありますが、とりあえず今日はクマの心配はなさそうです。

 笹原の中を一気に石丸峠まで登ります。途中の林道からはすでに富士山が堂々たる姿を見せています1。コースのあちこちにはトレランのルートを示すリボンが結び付けられており2、迷う心配はありません。石丸峠から天狗棚を経て、木の根と岩ゴロゴロの悪路を30分ほど登ると、本日最初の富嶽十二景にしてもっとも標高が高い小金沢山山頂です。

 山頂からは期待通りの富士の大展望です³。手近の岩に腰かけて景色を堪能します。トレランの人々は富士を一瞥して、「ああ」とか「うう」とか端的な感嘆詞のみを漏らして駆け抜けていってしまいます。もっとも、コースによっては周回と縦走を組み合わせたものもあるらしいので、この山頂が2回目という方も多かったのかもしれません。

 小金沢山から笹原を30分ほど歩くと次の富嶽十二景、牛奥ノ雁ヶ原摺山です。「うしおくのがんがはらすりやま」と読み、日本で最も長い山名とのこと。「雁ヶ原摺」とは、空を飛ぶ雁が腹を擦るほど高い山、という謂れだそうです。ご当地自慢なのでしょうか。ちなみ「雁ヶ原摺」を冠した山は秀麗富岳十二景にあと二つ含まれています。ここからも富士がよく見えます4

 ここから樹林帯の中を1時間ほど歩くと黒岳。展望はありません。さらに少し歩くと白谷ノ丸山頂です。ここは秀麗富岳十二景にこそ入っていませんが、富士の展望は今まで歩いてきた小金沢山や牛奥(略)に負けず劣らずです5。山頂は広く座るのに適したすべすべした石もあちこち転がっているので、多くの人が座って休憩していました。トレランの人たちはどんどん走り去っていきます。

 ここから一気に300M近く下ろされます。せっかく稼いだ高度が、くそまた登らなきゃならんとぶつぶつ言いながら下ります。トレランの人たちはストックをうまく使い、まるでスキーで滑走するように下っていきます。

やがて鳴り物が聞こえてきました。湯ノ沢峠です。ここは林道と接しており、立派なトイレも整備されています6。タクシーで乗り付ける登山者も多いのだとか。この日はトレランのエイドポイントとなっていました。登山をする身としては場違いに聞こえる鳴り物ですが、トレラン参加者にとっては救いの、あるいは鼓舞の音色に聞こえるのでしょう。

この峠でペットボトルを一本落としてしまっていることに気づきました。どこで落としてしまったのかわかりませんがかなり痛いです。残りの飲料は200ML程度。エイドポイントで物乞いをするという考えも浮かびましたが、なんとかなるだろうと思い直し、そのまま先に進みます。

大蔵高丸までは薄の原を進みます。季節によってはお花畑になるらしく、食害を防ぐ目的でしょうか、あちこちにシカ柵がありました。

登山道の杭の上に、まるでオブジェのように1本のペットボトルが置かれていました。ラベル無し、開封済みですが中身はほとんど満タンでした。トレランの人か登山者が落とし、後続の人がわかりやすいようにここに置いたのでしょうか。頭の中には「これ天祐なり受け取るべし」という声と「やめろ、1977年の事件を思い出せ」という声が闘いますが、「とりあえずゴミ拾いと考えて持ち帰っては」という仲介の声(脳内)に従い、リュックの中にしまいました(なお飲みました。中身はルイボスティーと思われます)。

山腹を廻り込むように登り、秀麗富岳十二景三番山頂、大蔵高丸に到着です。薄の原の上に顔を出す富士山も乙ですが7、そろそろ飽きてきました。

大蔵高丸から樹林帯を30分ほど歩くと本日最後の秀麗富岳十二景、ハマイバ丸に到着です。漢字では「破魔射場」と表記するようです。ここで妖怪か何かが討たれたのでしょうか。ここの富士は木立の隙間から見えるという塩梅で8、今までの十二景と比べると展望は格が落ちるかな、と思いました。

ここで12時を回ったので持ってきたおにぎりをかじります。おにぎりはすっかり冷えており、お隣のグループが作るカップラーメンが羨ましくて仕方ありませんでした。

ハマイバ丸をゆるゆる下り、天下石という小ピーク(その名の通り「天下石」という巨石-といっても自分の背丈よりちょっと大きい程度ですが-が山頂にあります)を過ぎ、さらに下ると米背負峠に到着。

道はここから大谷ヶ丸に登り返す道と沢に沿って下る道に分岐するはずです。しかし、大谷ヶ丸方面の道ははっきり見えるのですが、下る道があるはずの方面は厚く落ち葉が積もった谷が見えるだけです。今まで頼りにしていたトレランのリボンも大谷ヶ丸方面の道に続いています。目を凝らしていると、大谷ヶ丸から3人組のパーティーが下りてきたので道を尋ねてみると、この谷を下れば間違いない、とのこと。確かによくよく見ると、道は見えずとも赤テープが点々と谷筋に沿って見えます。

お礼を言って谷を下ります。道は落ち葉に埋もれて全く見えないのですが赤テープがこれでもかという位に谷沿いの木々に結わえ付けられ、さらに「甲斐大和駅方面」と書かれた標識も点々とあります。何度か沢を渡渉した後にはっきりした道が現れ、林道に飛び出しました。

林道で地図を確認し、ヘッドランプを取り出していると先ほどの3人パーティーが追い付いてきました。道々話しながら林道を下ります。途中でトンネルがありますが、明かりはなく中でカーブしているのでヘッドランプは必須です(この時は道連れがあってよかったと心底思いました)。1時間ほどくねくね林道を下りると、県道218号線とぶつかります。ここで右折してトンネルを抜けると(なおこのトンネルは明かりがあります。交通量は多めです)、本日のゴールやまと天目山温泉に到着です。

3連休ということもありバス停は長蛇の列です。ちょうどバスが到着したところだったので、温泉に入ってくるというパーティーと別れを告げてバスに飛び乗りました。バスは超満員で、列の最後の自分がやっと乗降口のステップに立って乗れるという様子でした。 今回のコースは距離こそ長いですが、地図を見てもわかる通りまとまった登り下りは最初と最後だけで、あとはほとんど水平移動です。はたしてこれを登山と呼んでいいものかと思う位の楽々さです。富士好きの方にはお勧めです。

1 本日の初富士。雲は多いが、本日も1日を通して富士が拝めそう。

2 トレランのルートを示すリボン。本日の縦走コースほぼ全体でこのリボンが翻っていた。

3 秀麗富岳十二景の最高峰、小金沢山。十二景の中では唯一の2000M峰でもある。

4 牛奥ノ雁ヶ原摺山(長い)山頂。だんだん富士に近づいてきた。

5 白谷ノ丸山頂からの富士の展望。正面にはこれから登る大蔵高丸-ハマイバ丸の稜線が見える。

6 立派なトイレが整備された湯ノ沢峠。この日はトレラン大会のチェックポイントとなっていて賑わっていた。

7 大蔵高丸山頂

8 本日最後の十二景、ハマイバ丸山頂からの富士。
山行記録

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